Author: monju (page 2 of 8)

映画「八甲田山」と組織の統制について

約4年ぶりになりますが、このコラムを再開したいと思います。
再開の第一弾は、あまりにも有名な「八甲田山(1977年:東宝)」に挑戦します。 

先ずは、あらすじから・・・・。 

  1901年、弘前第八師団第四旅団長である友田少将(嶋田正吾)は、来る露西亜との戦争に備えて、寒地での訓練を充実させるため、厳冬期の八甲田山を行軍することを決定し、管下にある青森5連隊、弘前31連隊に実行を指示する。
青森連隊の連隊長は津村中佐(小林桂樹)、弘前の連隊長は児玉大佐(丹波哲郎)で、夫々管下の神田大尉・中隊長(北大路欣也)、徳島大尉・中隊長(高倉健)に実施担当者として(両中隊が八甲田ですれ違うことを条件に)計画の起案を指示する。
クリックして続きを読む

「戦争と人間」から、企業の海外進出を考えてみる。

戦争と人間⑤今回は、旧日本映画の大作に戻って「戦争と人間」第一部「運命の序曲」を取り上げたいと思います。
この映画は五味川純平の小説に基づくもので、河本大作による張作霖の暗殺からノモンハン事件までを描いた日活映画3部作の第1作で監督は(3部とも)山本薩夫です。
監督もそうですが、俳優座、文芸坐、劇団民芸などであり社会派と言うか当時の世相を反映して左翼色の強い作品となっています。

★ストーリー

東京と満州を舞台に戦争を食い物にして利殖に走る伍代産業の動きを中心に、好むと好まざるとに拘わらず戦争に巻き込まれて行く人々の物語が展開されます。

先ずは、伍代家当主雄介(滝沢修)の長男である英介(バカ息子:高橋悦司)の米国出張の壮行会が雄介の屋敷で賑々しく行われている。そこには、伍代産業の役員である矢次憔夫(二谷英明)が、標公平と言う少年を連れて出席している。戦争と人間②公平は伍代産業の労働者である標拓郎(伊藤孝雄)の弟である。標拓郎は、矢次が管理する工場に勤務している際のストライキが原因で、左翼一斉検挙で拘留中である為、矢次が弟の公平の生活の面倒を見ているのであった。そこで、公平は伍代家の次男である俊介(若き日の故中村勘三郎)と意気投合する。俊介は絵画を趣味としていることより、公平は兄の活動家仲間である貧乏画家の灰山等(江原真二郎)を紹介。俊介は左翼思想に影響を受ける様になる。

中国では、張作霖が蒋介石に追われて北京から満州に軍隊を移動させており、あちこちで日本人との間で小さな衝突があったが、関東軍は自軍の管轄外なので、天皇の奉勅命令が出ない限り、出動が出来ない。満州伍代社長喬介(芦田伸介:かなりの悪だがとにかく格好いい)は、資材の買い占めによって利益を得るために、関東軍が出動し戦争が始まるようにあらゆる手を尽くす。

満州伍代の幹部社員高畑正典(高橋幸治)は、匪賊の妨害によって地方の物産の奉天への物流ルートが寸断されていることに目をつけ、自ら匪賊の統領(丹波哲郎)との交渉に臨む。丹波の部下によって瀕死の拷問を受けながら、丹波との粘り強い交渉が成立し、軍事目的に使用しないことを条件に匪賊にルートの安全を保障させることに成功。ビジネスが動き始めたころに、関東軍参謀石原莞爾(山内明)の要請により、喬介はこのルートを関東軍の偵察に使用することを約束する。これが匪賊にばれて、怒った丹波は、高畠の最愛の妻素子(松原智恵子)を誘拐して殺害。それでも高畠は、喬介に対して「戦争を食い物にする男の死にざまを見とどける」と言って、満州伍代に留まる。

雄介の長女由紀子(浅丘ルリ子)は、二谷を愛しているが、妻のいる二谷の煮え切らない態度に業を煮やす。次に、陸軍の若手将校である柘植中尉(高橋英樹)と恋仲に陥る。柘植も由紀子を愛しているが、仕事優先の一本気な性格であり、一方、由紀子はお嬢様育ちのわがまま放題故、二人の恋は中々進展しない。柘植は、霧社事件の調査で台湾に出張するが、その一本気な性格から反乱を起こした現地人の心情を汲んだ報告を作成してしまい、それが原因で金沢に飛ばされる。由紀子は金沢まで柘植を追いかけ二人は漸く一晩限りではあるが結ばれる。

奉天医大の講師服部(加藤剛)と、開業医不破(田村高広)医者仲間で、独身・単身同士で正月を迎えている。そこに、官憲に追われて負傷している朝鮮人民族主義者の徐在林(地井武夫)が、武器を持ってけがの治療と金を要求する。同時に警察に踏み込まれた徐は、警察官を射殺し逃亡する。射殺された警察官には雷太と言う男の子がいる。ナイフ使いの達人となり、中国人を徹底的に憎む少年に成長し、満州伍代に入社し喬介の部下となる。

標拓郎は釈放されて直ぐに徴兵される。徴兵前日に、拓郎は公平と二人で過ごす。そこで、拓郎に対して次の忠告を行う。「いいか、男であれ、女であれ、思想であれ自分が納得するまで信じるな。物わかりの遅いは決して恥ずかしいことではない。後悔しないためのただ一つの方法だ。人が何と言おうが自分納得できないうちは絶対にするな。」

戦争と人間③その直後、満州事変が勃発。正義感の強い奉天総領事館員篠崎(石原裕次郎)の奮闘にも関わらず関東軍は戦闘を強化し、瞬く間に各都市を占領するが、その中で拓郎は戦死する。

中国人財閥である趙大福の息子で服部講師の研究室にいる医者の延年と美人の娘瑞芳(栗原小巻)がいる。喬介の元で修行するため満州に渡った英介は、偶然見かけた瑞芳に一目惚れする。その後、ホテルのロビーで瑞芳を見かけた英介は、瑞芳を強姦する。初めて会った時点では、未だ日本人の支配が及んでおらず、趙大福の娘に手を出すことは、相当な危険を伴う行為であった。その時点では何もせずに紳士をふるまい、満州事変によって日本人支配が確立して、リスクの無い状態になってから強姦に及んだ英介の態度に瑞芳は怒り、お嬢様生活を捨てて反日運動に飛び込んでいく。

★分析

と、ここまで長いあらすじに最後までお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます。40年以上も前の左翼思想満開の映画に興味を持つ方がどれだけいるのか・・・と思うのですが、その一方で、港区図書館では、このDVDがいつも貸出し中になっています。本文を書くのにもう一度見直そうと思ったのですが、なかなか借りることが出来ませんでした。今もこの映画が共感を持って見られているのでしょうか?

さて、この映画は勧善懲悪ものであり、良い人と悪い人にはっきりと識別されます。また、良い人の中には、左翼思想の人間(標兄弟、貧乏画家の灰山、俊介、瑞芳、白永祥:五代満洲のローカルスタッフで共産党活動家:山本学)と左翼思想とは直接関係ないが正義感の強い人間(矢次:二谷英明、柘植中尉:高橋英樹、高畠:高橋幸治、服部:加藤剛、篠崎:石原裕次郎)。また、中国人は全員良い人です。悪い人の中には、悪い中にも骨のある人間達(雄介:滝沢修、喬介:芦田伸介、鴫田駒次郎:満州伍代の喬介の部下(三国連太郎)、喬介とは男女の関係で何やら怪しげな女鴻珊子(岸田今日子)と単に権力を嵩にやりたい放題(英介:高橋悦史、陸軍の将校たち)と言ったところでしょうか?最大の悪人は、アヘン密売の利益のためには、部下の鴫田を使って殺人も辞さない喬介です。彼は物資の買い占めで儲けるために関東軍を焚き付けて戦火を拡大させようと企てますが、石原莞爾とため口を聞くなど大物ぶりを発揮しています。その中で、由紀子はどれにも分類出来ない特別な存在です。左翼系の人間は、全て善い人なのですが冒険主義者の徐在林、左翼作家の陣内志郎(南原宏治)は、ちょっと癖のある人間として描かれています。

これらの登場人物が夫々の人生を精一杯生きていく過程において好む者も好むざる者も戦争の渦の中に巻き込まれて様を描いているのがこの映画です。

★ビジネス

この映画のポイントは、標拓郎が出征する前夜に公平に与える忠告です。既に述べましたが、「自分が納得するまで信じるな。物わかりの遅いは決して恥ずかしいことではない。後悔しないためのただ一つの方法だ。人が何と言おうが自分納得できないうちは絶対にするな。」です。このセリフは、40年近く前に初めて見た時から、今も変わらない重い言葉です。ビジネスの世界においても「物わかりの遅いことは恥ずかしいことではない」は、「バスに乗り遅れるな」の対極にあります。どんな意思決定も、周りに振り回されることなく自身が納得するまで精査・検証して、納得してから結論を出しても決して遅くはないことを我々は強く認識しなければなりません。中小企業の生産拠点の海外移転については実際に成功しているのは過半数に満たないと言われています。中小企業庁を初めとして、金融機関や工場団地など官民一体となった手厚い支援により海外への進出は比較的簡単に出来る様になりました。しかしながら、それを持続的に成功に結び付ることは非常に難しいようです。実際の成功は自身の経営資源と市場環境をしっかり分析し、実行する企業のみが得ることができるもので、行先を確認することなく他人を追いかけてバスに乗ってしまった企業にとっては不可能だと思います。仮に、海外に出て行かない企業は“成長意欲やチャレンジ精神がない”と考えがまかり通る様であれば、有る意味で、戦争と人間の世界と同じになってしまう懸念があります。

企業が自身の軸足をしっかりと持って、ぶれない戦略を立て実行することを、しっかり主張して行きたいと思います。

★GSネタ

戦争と人間①さて、このコラムではGSネタで締めくくるのがお決まりになっています。

戦争と人間の第二部第三部では大人になった五代の二女頼子として小百合さんが登場するので、小百合さん=GSネタ※には困らないのですが、第一部の出演者の中では、浅丘ルリ子さんの昭和43年の作品「女がひとり」をご紹介したいと思います(デュークエイセスの京都大原三千院~♪ ではありませんので・・・)。

「女が一人夜霧にぬれて失くした恋を探して歩く…」と言うGSとしては大人の歌詞なのですが、曲はブラスをフィーチャーしてR&B色を前面に打ち出したGS後期のサウンドで、中々聴きごたえがあります。同様の作風としては、ザピーナッツの「ガラスの城」や黛ジュンの「不思議な太陽」があるのですが、この二組は元来GS色の強いアーチストであるのに対して、後に「愛の化石」が大ヒットしたこともあり、どちらかと言えばか細い大人の女性イメージの強い浅丘が、一歩も引かずに堂々と歌い上げているところは一聴に値します。

今までにも書きましたが「坂道のクラブ」(昭和43年:すぎやまこういち、橋本淳)は、ストーンズのShe’s a rainbow的な構成と小百合さんの可愛い歌声とGS的な演奏がマッチした素晴らしい作品です。吉永小百合全集以外にはCDに収録されていないのが非常に残念。
橋幸夫の昭和42年から43年にかけての一連の作品や永井秀和の「緑の館の少女」、「天使のエレーヌ」等日本ビクターはGS的な素晴らしい作品があるにもかかわらずCD化に消極的な姿勢が気になります。早くCD化して欲しいものです。

 

*画像は日活映画より引用

新着情報!What’s New? 新着情報!What’s New? 新着情報!What’s New? 新

2016.1.2

「離婚弁護士・久我今日子」
ついに連載開始。

離婚や別居、親権・養育費・慰謝料・財産分与、あるいは遺産相続・認知といった思いもよらない事態に遭遇した時、果たして人はどんな姿を見せるのか?
現代の家族のさまざまな人間模様に、深ぁく迫りつつ軽妙なタッチで描きます。

2015.6.14

待望久しかった専門家集団「オフィス文殊」のホームページ、本日ついにリニューアルオープンしました。
今後は、皆さまからの法律または経営上のお悩みをどんどんお寄せ下さい。
街角目線で、親身になってご相談にお応えさせて頂きます。

「文殊」って?  ~3者の知恵でお悩み解決

私たちは、メディアやビジネスの世界で長く仕事をしてきました。

BED3C1FC1A4CEA5B3A5D4A1BC

その間に積み重ねてきた豊富な社会経験に加えて、法律と経営の高度な知識能力を合わせ持つ専門家集団です。

そんな私たちと、家庭やお店の悩んだり困ったりしている方々とが出会える場。

それが「オフィス文殊」です。

「3人寄れば文殊の知恵」と言います。

BBCDCAFDBED3C1FCupCDD1

悩み事というのは、たいていは、あなたと相手方との間で発生します。 もっとも、その相手方は、「問題」や「トラブル」など必ずしも人間とは限りませんが。

その当事者のお2人私たち専門家が加わって、3者が知恵を出し合ってお悩み解決のお手伝いをする。

それが「オフィス文殊」の基本スタンスです。

オフィス文殊がお手伝いできること

il-bykyon消費者契約・遺産相続・離婚・敷金返還……。

私たちの日常生活では、いつ何時、困ったり迷ったりする出来事が起こるか知れません。そんな時、法律を知っているかどうかで大違い。私たちは、ついつい法律は難しそうだからと敬遠しがちだけど、実は、一般庶民にとって法律ほど力強い味方はないんです。

なぜなら、警察であろうが暴力団であろうが、たとえどんなに強くて恐い相手でも、法律は誰にも平等に扱ってくれるから。平等ということは、結局弱い方に力を加えて、強い方の力を減らしてくれるということです。法律の前では、どんなにお金や権力がある人でも、力ずくで一方的にねじ伏せることは絶対に出来ません。
そう、日常生活で、本当に頼りになるのは法律なのです。

日常生活で起こりがちなこんなことあんなこと、そんな時に法律はどう味方になってくれるのか。実例をもとに、さまざまな事例をご紹介します。

日常生活には、ちょっとしたトラブルがそこらじゅうに転がっています。貸し借りとか、言った言わないとか、敷金返還とか、訪問販売とか電話勧誘とか……。

でも、トラブルに対して、人はついつい自分の都合のいい方に考えがち。ということは、相手も当然、自分の都合のいい方に考えているということになります。

となると、お互いの主張が対立するのは当たり前のことです。そこで必要になるのが、どちらにも肩入れしない、完全中立公平で客観的な物差し。 
そうです。その物差しこそが「法律」なのです。

「三人寄れば文殊の知恵」……オフィス文殊は、あなたと相手方との間に入って、その物差しを上手に使うことで3者が知恵を出し合って解決への道すじをつけていきたいと考えています。 cooBBD2-thumbnail2

東京ビートルズが残したM&Aの教訓とは?

今回は、東京ビートルズの2大ヒットの一つ“キャントバイミーラブ”を取り上げます。

先ずは歌詞から;

買いたいときは金だしゃ買える。ミンクのコートダイヤも買える。それでも買えない友達だけは~♪

買いたいときは金だしゃ買える。プールの付いた家でも買える。それでも買えない真心だけは~♪

Can’t buy me Love~。

と中々深い内容になっています。

これを2014年版経営コンサルタントバージョンに替えると;

買いたいときは金だしゃ買える。経営権はいつでも買える。それでも買えない社員の心~♪

買いたいときは金だしゃ買える。社長の椅子もいつでも買える。それでも買えない企業の文化~♪

となります。 クリックして続きを読む

ユーミンが見たジャカルタは?~スラバヤ通りの妹へ~

このコーナーもすっかりご無沙汰してしまいました。

公私ともにあれこれと忙殺されていたのですが、少し時間の余裕が出来たので、久しぶりに新作?を・・・・・。

今回はユーミンの「スラバヤ通りの妹へ」を取り上げます。この曲は「水の中のアジアへ」と言うアルバムの一曲として1981年に発表されたものです。80年代の曲と言うのは、このコラムではかなり新しい方に入りますが、何と4曲しか入っていなくて、全ての曲がアジアをテーマにしたと言う不思議なアルバムです。

あまりメジャーな曲ではないので、ご存じない方も多いと思いますが・・・・。

この曲は、ジャカルタのスラバヤ通りを歩いている15歳のインドネシア人の少女との交流がテーマのほのぼのとした内容で、南国の風景の中のんびりと散歩している様子が、例のユーミン節にのって始まります。ところが、第二節でいきなりドキッとするフレーズが出てきます。「痩せた年寄りは責めるように私と日本に目をそむける~ ♪」と言うものです。81年のことですからこの年寄りは戦争を体験していると思いますが、日本に対して憎悪感を持っていたのでしょうか?

クリックして続きを読む

レミゼラブルを監査すると???

4月にJALの機内で『レ・ミゼラブル』を見ました。このコラムでは今まで邦画の名作ばかりでしたが、最新作の洋画を取り上げてみます。どんなことになるやら・・・。

レミゼラブルは言わずと知れたビクトルユゴーの小説の映画化であり、ミュージカル仕立て。過去にはジャンギャバン主演のものや、また、10数年前にも機内で英語の映画を見た記憶があります。

さて、あまりに有名なストーリーですが・・・。 クリックして続きを読む

「海をこえて友よ来たれ」が現在に残してくれたもの

2020年の東京オリンピック招致が大変盛り上がってきました。

嘗ては、オリンピックと言うと国力高揚やイデオロギーが前面に出て、あまり好感が持てなかったのですが、昨年のロンドンオリンピックや東京マラソン、WBC等、スポーツイベントの経済効果は絶大であり、是非、東京での開催を実現させて欲しいものです。

さて、この『海をこえて友よきたれ』(作詞:土井一郎、作曲:飯田三郎)は、1964年の東京オリンピックをテーマにした歌で、63年に発売されています。オリンピックと言えば先ず三波春夫の「東京五輪音頭」※ですが、当時の小学生は学校で、この「海をこえて~」か、「この日のために」※※のどちらかを歌わされていたので、同世代の中にも「海をこえて~」派と「この日の~」派があります。

この「海をこえて~」はNHK関係の曲で各レコード会社競作だった様ですがYouTubeでは藤原良と高石かつ枝とのデュエットによる爽快な歌で、オリンピックの高揚感を伝えてくれます。特に、曲の半ばのより速く、より高く、より強く~♪のところでグッと盛り上がります。 クリックして続きを読む

「安城家の舞踏会」と家電メーカーの現状

安城家1.png今回は、安城家の舞踏会です。公開が1947年とずいぶん古い映画ですが、現在に相通ずるところがあり、取り上げることとしました。

先ずは、あらすじから・・・・。

安城家は侯爵であるが、農地改革や財産税などの戦後の諸政策によって財産を没収され、唯一残った邸宅は、新川と言う成り上がりの貸金屋からの借金の抵当に入っており、弁済不能のため、手離さざるを得ない状態であった。

安城家は当主の忠彦(滝沢修)、長男の正彦(森雅之)、長女で出戻りの昭子、次女敦子(原節子)の4人家族。安城家の元運転手の遠山は、今や運送会社の社長であるが、敦子の依頼により、借金の肩代わりを申し出る。また、遠山は昭子を慕っているのだが、気位の高い彼女は、遠山を毛嫌いしている。一方、貸金新川の娘曜子と正彦は婚約関係にある。 クリックして続きを読む

Older posts Newer posts