こうして、再び生きるよすがを見出した幸次さんの、新たな日々が始まった。
「大学に入って寮住まいになった和樹とは、月に一回会うことにしました。アルバイトするなとは言わないが、学生の本分だけは忘れるな。学費と生活費は父さんが面倒みるから。これが、和樹との約束事です。月一回会う度に、仕送りとして12万を手渡しました。とにかく遮二無二働くことだけが命でしたから、それでもまだ多少の余裕がありました。だから、自分のアパートの家賃とか光熱費なんかを除いた残りは、せっせと貯金しました。いずれ、和樹がまとまったお金を必要とする時が来ると思ってましたから」
「すごい。お父さん、完全復活ですね」
幸次さん、ちょっとだけ誇らしげに見えた。
「でも、あの、お母さんはどうなさってたんでしょう」
由紀ですか?
幸次さんが呟くように言った。 クリックして続きを読む