週刊誌を買うことなどめったに無いのですが、駅の売店でWEDGE4月号を購入しました。

理由は「留学生ビジネスを輸出産業に」と言う記事があったためです。

記事の内容は、アジアの富裕層からの留学生を獲得することによる経済効果を輸出産業として記事にしたもので、留学生数を30万人まで伸ばすと(現在は14万人)国内の経済インパクトは5,000億円にのぼると言うもの。オーストラリアでは留学生数は56万人で1.5兆円を国内で消費しており、石炭・鉄鉱石に次ぐ第3位の輸出産業とのことです(ちょっと数字が合いませんが、いずれにしても物凄い金額)。

留学生を受け入れることで、外貨の獲得だけでなく、知日派を増やすこと、日系企業の人材確保などのメリットを謳っています。

そこで、各大学も留学生の獲得に注力している様で、最近では東大が2月インドに事務所を開設しています。東京大学(多分、他の一流大学も)は自身の強味を主に理系の研究力と考えていますが、一方で、アニメや洋菓子等の技術に日本の魅力を感じている留学生も少なくない様です。しかしながら、欧米と比較して、留学生受入れの歴史や体制と言語のハンディがあり(留学生が日本語を学んでも日本以外で役に立たない)実態は相当厳しい模様。

また、台湾人留学生を採用したことによって、年商4億円の部品メーカーが、海外の優良顧客との取引を開始し2年目で2,000万円の輸出売上を達成するに至ったとの記事もあり、中々興味深い内容でした。

私自身は毎年12月に在日留学生と中小企業診断士との懇親会に毎年参加していますが、留学生の語学力と日本に対するユニークな(日本人が気付かない)視点には、いつも驚かされます。

中小企業のグローバル展開となると判で押したように、海外への工場進出が話題になりますが、先ず優秀な留学生の採用による社内のグローバル化を図って行くことはとても意味のあることだと考えます。卒業後の就職環境を整えることにより、留学生にとっても日本の留学先としての市場価値も向上するのではないかと思うのですが・・・・。  (2012年4月)